トナのブログ

VR, VRChat, Oculus Quest関連の情報を紹介します。質問はTwitterのDMからどうぞ。@tonavrc

VRSSをVRChatで有効化する方法 - 画質向上

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 (2020/1/8 22:30) ドライバインストールの手順を追記しました。

 (2020/1/16 17:40)NVIDIAコントロールパネルに追加する方法に変更しました。

 (2020/1/17 19:35)SteamVRスーパーサンプリングの調整の説明を追加しました。

 (2020/1/17 23:00)SteamVRスーパーサンプリングの調整の説明を修正しました。

 (2020/1/21 17:10)VRChatに適用する場合の注意について追記しました。

 (2020/7/5 20:40)VRChat向けに全面的に改訂しました。

 (2020/7/17 20:15)VRChat MSAA設定とSteamVRスーパーサンプリングの項を修正しました。

(2021/04/13)VRSSの性質に合わせてSteamVRスーパーサンプリングの項を修正しました。

(2022/01/14)VRSSのテストを踏まえ内容を全面的に改訂しました。

(2022/10/5) VRSSがVRChat一部ワールドでクラッシュしなくなったため注意文を削除

概要

NVIDIAは2020年1月、新たなVR負荷低減機能として、中心領域のみに最大8倍のスーパーサンプリングを適用する、可変レートスーパーサンプリング(VRSS)をTuring世代のグラフィックボード向けにリリースしました。適用領域のサイズは負荷に応じて変化します。

 

NVIDIAのテストによるとBoneworksにおいて同一画質でfpsが約50増加したとのこと。

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実際にVRChatでVRSSをテスト*1したところ、画質向上は確認できましたが、同一画質でのFPS向上は確認できませんでした。テストの結論として、VRSSはFPS向上目的では使えないが、GPUに余裕がある場面では画質を飛躍的に向上させる効果があると言えます。

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対象となるTuring世代のGeForceグラフィックボードは次の通りです。

GeForce GTX 1650/1650 Super
GeForce GTX 1660/1660 Super/1660 Ti
GeForce RTX 2060/2060 Super
GeForce RTX 2070/2070 Super
GeForce RTX 2080/2080 Super
GeForce RTX 2080Ti

RTX30シリーズであるAmpere世代はRTX3006/3090のVRSS動作を筆者が確認済みです。

また2022年10月現在も、Meta QuestへのVRストリーミング(Quest Link/Virtual Desktop/ALVR)では動作が確認できませんでした。恐らくVRストリーミング全般が非対応でネイティブ有線PCVR(VIVE/Index/Pimax/Windows MR)のみ動作するものと思われます。

 

効果

 以下の動画のようにチラツキが大幅に緩和されます。パフォーマンス検証は今後改めて行います。

 https://twitter.com/tonavrc/status/1284159531346362370?s=2https://twitter.com/tonavrc/status/1284159531346362370?s=20

導入手順

1. NVIDIAコントロールパネルのプログラム設定からVRChatのVRSSを有効にする

NVIDIAコントロールパネル>3D設定の管理>プログラム設定>VRChat>「バーチャルリアリティ - 可変レートスーパーサンプリング」を「適応」あるいは「常にオン」にして、画面右下の適用を押します。「適応」はGPUの処理に余裕がある時にVRSSが動作します。「常にオン」はVRSSを常に動作させ常時画質を向上させられますが、高負荷時はFPSが低下します。

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2. VRChatのMSAAを有効にする

まず、VRChat内メインメニューのSAFTYタブ>Performance Optionsを選択します。

次に、開いたウィンドウのAdv. Graphicsを選択します。

最後に、Multisampling Antialiasingの項目をx2, x4, x8のいずれかにするとMSAAの有効化が完了します。画質と負荷のバランスからx2またはx4を推奨します。

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参考

 

www.nvidia.com

www.reddit.com

 

*1:テストの方法

VRChatワールド"VR Vision Test Lab"にてMSAAx4, VRSSx4のそれぞれで、文字視認を行い、Cの字の切れ目が完全に確認できるSteamVRスーパーサンプリングの最低数値を各レベルごとに記録した。次に、ワールド"Moody"にてMSAAx4, VRSSx4のそれぞれで、SteamVRスーパーサンプリングの設定を記録に基づいて設定し、その時のFPSを記録した。

テスト結果

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MSAAx4では精細度テストLv6まで、VRSSx4ではLv10までCの字の切れ目を確認できた。

 

テスト環境

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上の画像はテストで使用したVRChatワールド"VR Vision Test Lab"