Oculus Linkを導入する - 特徴、導入方法、トラブル対処、画質調整
Oculus Quest/Quest 2でPCVRをプレイできる公式機能、Oculus Linkの特徴、導入方法、トラブルシューティング、画質調整についてご紹介します。
(2020/11/03改訂 画質調整の項目をODTを使う方法に書き換えました。)
特徴
- 無料である(Quest標準搭載の機能)
- 公式機能である
- ベータ版である(2020/10/16現在90Hz未リリース、2020年秋正式リリース予定)
- 有線で接続する
- 遅延が非常に小さい
必要なもの
- Oculus QuestあるいはQuest 2
- ゲーミングPC*1
- USB3.0/2.0ケーブル*2
導入方法
1. Oculus PCアプリをWindowsにインストールする
下記リンクよりダウンロードが可能です。
https://www.oculus.com/rift/setup/
2. PCとQuestをUSBケーブルで接続する
3. 「データへのアクセスを許可」というプロンプトで「許可しない」を選択する
4. Quest設定ウィンドウよりOculus Linkを起動する
画像の項目から起動が可能です。
5. Oculus Link内の設定、もしくはOculus PCアプリのデバイス設定でQuest2マイク・ヘッドホンを有効にする
PC上で設定する場合は以下のようになります。
接続を維持したまま、Oculus PCアプリ>デバイス設定>Quest 2とTouch>音声、を表示し画像のように「Quest 2マイク」、「Quest 2ヘッドホン」に設定します。 音が出ない場合はケーブルを接続しなおしてみてください。
6. 遊びたいタイトルを追加する
Oculus PCアプリのストアやライブラリから好きなアプリを追加します。下記の画像の方法でSteamVRタイトルも追加可能です。
トラブルシューティング
USB接続しても画面が黒いままだったり、Oculus Linkが停止してしまったりする場合
ケーブルを変えるか他のUSBポートをお試しください。ポートには相性があります。黒い画面からQuestホームに復帰するにはOculusボタン(デフォルトでは右コントローラー)を4連続で押すことで可能です。それでも改善しない場合、USBハブを経由したりUSB増設カードを利用したりする方法があります(USB3.0/2.0両方可能)。
画質を調整する
Oculus Linkは映像の圧縮を行っており、その設定を変更することで画質の調整が可能です。調整には公式のデバッグツールを使う方法とOculus Tray Toolを使う方法があります。ここではOculus公式のデバッグツール、OculusDebugToolを紹介します。
Oculus PCアプリのインストール先がデフォルトの場合、以下のフォルダに存在します。
C:\Program Files\Oculus\Support\oculus-diagnostics\OculusDebugTool.exe
ツールを実行すると以下の画面が開きます。3つの項目を変更することで画質を調整できます。
Pixels Per Display Pixel Override:スーパーサンプリング相当の機能(0.5~1.6推奨)
Distortion Curvature:周辺視野の圧縮強度を指定(Lowが最も高画質)
Encode Resolution Width:エンコード解像度幅
設定はマシンスペックにより異なりますが、昨年と去年にFacebookのグラフィックスエンジニアが投稿した推奨設定が参考になるでしょう。Encode Bitrateは現在ベータ版の機能となっています(「Oculus PCアプリ>ベータ>公開テストチャンネル」の有効化でベータ版を利用できる)。
NVIDIA GTX970以上と同等
Pixels Per Display Pixel Override:1.0
Distortion Curvature:Default
Encode Resolution Width:2016
NVIDIA GTX1070以上と同等
Pixels Per Display Pixel Override:1.1
Distortion Curvature:High
Encode Resolution Width:2352
NVIDIA RTX2070以上と同等
Pixels Per Display Pixel Override:1.2
Distortion Curvature:Low
Encode Resolution Width:2912
これ以上のスペックの場合
Pixels Per Display Pixel Override:1.6
Distortion Curvature:High
Encode Resolution Width:3664
設定後、Oculusサービスを再起動して、Oculus 2のグラフィック設定を必ず「品質を優先」にします(これ以外だとOculusDebugToolの設定が適用されません)。
特徴、導入方法、トラブル対処、画質調整は以上になります。
参考
Oculus Debug Toolを使ったOculus Linkの解像度調整についてFacebookのグラフィックスプログラマVolga Aksoyさんがガイドと推奨設定を公式フォーラムに投稿した。
— トナ@VRChat (@tonavrc) December 17, 2019
Pixels Per Display Pixel Overrideは保存されないとのこと。
Performance HUDを有効化すると遅延を表示可能。https://t.co/PIkcv5lcWk https://t.co/ZzIpmUFuS7 pic.twitter.com/0ETdbk8kMh
For our new @Oculus Quest 2 users Link'in it up with USB3... If you have a good GPU w/ fast video encode, you can set "Encode Width" in OculusDebugTool to ~3664. Then push app-pixel-density as you see fit. We'll eventually be making these and other settings automagic.
— Volga Aksoy (@volgaksoy) October 14, 2020
//twitter.com/volgaksoy/status/1316243051791015936?s=20https
://twitter.com/volgaksoy/status/13162430517
91015936?s=20
「品質を優先」設定を参考にさせていただきました。
*1:Oculus 公式の互換性リストはこちら。
https://support.oculus.com/444256562873335/?locale=ja_JP
*2:主に3種類から選べる。
1) Oculus Link公式ケーブル 10,700円、5m、USB3.0 Type C-to-C
https://www.oculus.com/quest/accessories/?locale=ja_JP
2) Anker USB3.0ケーブル 1,200円、3m、USB3.0 Type A-to-C Oculusが代替品として推奨
https://www.ankerjapan.com/item/A8167.html *売り切れの場合あり
3)その他のサードパーティー製ケーブル:有志による接続可否リストが参考になる docs.google.com