トナのブログ

VR, VRChat, Oculus Quest関連の情報を紹介します。質問はTwitterのDMからどうぞ。@tonavrc

Virtual Desktopを最適な設定にする - 各種設定について

f:id:tonact:20200331165742p:plain

(2020/10/14更新)Quest2に対応

(2020/10/15追記)Quest2にて公式未リリースの90Hz機能を有効化する方法を注釈に追加

(2022/03/08更新)最新の内容に更新

Virtual Desktopの各設定項目について簡単に解説したあと、最適設定の例をご紹介します。

執筆時点のVirtual Deskotpバージョン:1.20.26

 

 

Virtual Desktop ストリーマー

f:id:tonact:20220308210122p:plain

ACCOUNTS

  • Oculus Username(s)

QuestでログインしているOculusユーザー名(最大4個まで)

f:id:tonact:20220308210303p:plain

OPTIONS

  • Preferred Codec

優先するコーデック(自動/H.264/HEVC)

  • Audio Streaming

音声の出力先(無効/VRヘッドセットのみ/VRヘッドセットとコンピューター)

  • Use virtual audio driver

音声の配信に問題があるときに有効にする

  • Allow remote connections

リモート接続を許可する

tona.hatenablog.jp

  • Encrypt local traffic

ローカル通信の暗号化を有効化する。暗号化を無効化すると通信遅延が数ms減少する。

  • Automatically adjust bitrate

利用可能な帯域幅に基づいて映像のビットレートを自動で調整する(再接続が必要)

Windows開始時に起動する

  • Start minimized in tray

最小化した状態で起動する

  • Use touch input

Touchジェスチャーを有効にする(クリックが正常にできない場合無効にすること)

  • Lock computer on disconnect

切断時コンピュータをロックする

  • Auto-select microphone

VR版Virtual Desktopの設定でマイクパススルーを有効時、WindowsのVirtual Desktop Microphone録音デバイスを自動で既定にする

 

VIDEOS

f:id:tonact:20220308211305p:plain

ビデオ機能(PCの動画ファイルをリアルタイムエンコードによりQuestにストリーミングする)の参照フォルダを指定する。Change locationでパスを変更、Add a folderでフォルダを追加。

ABOUT

f:id:tonact:20220308211746p:plain

グラフィックボード、コーデック、遅延(デスクトップ時とVR時で異なる)、OS、セキュアブートの有無を確認できる。

Check for interfering appsからVirtual Desktopと競合するアプリをチェックできる。

Virtual Desktop クライアント

基本操作

f:id:tonact:20200921194041j:plain

COMPUTERS

f:id:tonact:20201014210302j:plain


利用可能なPCの一覧が表示される。クリックで接続。下スワイプで一覧を更新。

 

ENVIRONMENTS

f:id:tonact:20201014210536j:plain

デスクトップ画面を鑑賞する仮想空間の環境を選択できる。

 

GAMES

f:id:tonact:20201014210606j:plain

Virtual Desktopでプレイ可能なOculusとSteamタイトルが表示される。この一覧からゲームを開始する方法が推奨されている。また、SteamVRの起動は画面左下のLaunch SteamVRからも行える。この一覧にないタイトルをプレイしたい場合は次の2通りの方法がある。

- SteamVRを起動した状態で、一度デスクトップに戻り実行ファイルを開く。

- タスクトレイ内のVirtual Desktopストリーマーアイコンを右クリックしLaunch Game...から実行ファイルを指定する。

 

INPUT

f:id:tonact:20220308212741j:plain




Input Options
  • Controllers interact with desktop

コントローラーでデスクトップ操作をする

  • Automatically hide controllers

自動でコントローラーを非表示にする。コントローラーで数秒間操作を行わないとき、ポインタを非表示にし入力を無効にする

  • Thumbstick vertical scrolling

ジョイスティックで縦方向のスクロールをする

  • Thumbstick horizontal scrolling

ジョイスティックで横方向のスクロールをする

  • Hand tracking

ハンドトラッキングで操作する(動作にはQuest本体でハンドトラッキングを有効化する)。SteamVRではTouchコントローラーとして認識される。

  • Automatically show keyboard

自動でキーボードを表示する

  • Press grip to grab/resize screen

グリップでスクリーンを掴む/リサイズする

Gamepad
  • Emulate gamepad on PC

ゲームパッドでゲームをプレイできるようにする

  • Use touch controllers as gamepad

Touchコントローラーをゲームパッドとして利用する。有効時、メニューボタン長押しでメニューに戻れる

Emulate D-pad and Start button

ゲームパッド十字キー・スタートボタンをエミュレートする(左ジョイスティックとオプションボタンを利用)。下記の項目で発動条件を、右グリップかジョイスティック押下時のどちらかに指定できる

  • When right grip is pressed

右グリップ押下時にゲームパッド十字キー・スタートボタンをエミュレートする。

  • When right thumbstick is pressed

ジョイスティック押下時にゲームパッド十字キー・スタートボタンをエミュレートする

 

SETTINGS

f:id:tonact:20220308213144j:plain




Computers
  • Auto connect

クライアント起動時、自動で接続する

  • Use optimal resolution

最適な解像度を使用する。配信解像度に適したモニター解像度に変更する(推奨)

 

Environment Quality

デスクトップ配信を鑑賞する仮想環境の品質を選択する。高品質ほどバッテリー使用量が増加する

- Low 低

- Medium 中

- High 高

Frame Rate

デスクトップ配信のフレームレートを指定する。高フレームレートほどチラツキが減少するがバッテリー使用量が増加する。

60/72/80/90/120fps

Desktop Bitrate

デスクトップ配信のビットレートを指定する。高ビットレートほど品質が上がるがバッテリー使用量が増加する

Screen Brightness

デスクトップ配信のスクリーンの明るさを調整する。

 

Videos

Show hidden items

隠しファイルやフォルダーを表示する

Dynamic Lighting

一部、仮想環境でスクリーンをライトアップする

  • Disabled 無効
  • Enabled when controller inactive コントローラー休止時有効
  • Always enabled 常に有効
Audio
  • Background music when disconnected 切断時BGMを再生
  • Microphone passthrough マイクの有効化と音量調整

- Noise cancellation ノイズキャンセリングを有効にする

Advanced Options
  • Allow custom orientation in all environments

全ての仮想環境で向きの変更をできるようにする

  • Boost clock rates

クロック周波数を増加させる。バッテリー使用量も増加する。録画やミラーリング時にのみ使用すること

  • Copy screenshots to desktop

Virtual Deskop内で撮影したQuest機能によるスクリーンショットを自動的にデスクトップにコピーする

  • Increase color vibrance

色の鮮やかさを増加する

  • Remove head lock delay

スクリーンを頭に追従する設定にした際、追従の遅延を無くす

 

STREAMING

f:id:tonact:20220308213813j:plain



VR Graphics Quality

VR配信のエンコード解像度と、SteamVRの既定の(100%の)内部解像度を指定する。適用にはゲームとSteamVRの再起動が必要。Potatoはロースペック、Ultraはハイスペックのグラフィックボード搭載時指定する。

VR Frame Rate

適用にはゲームとSteamVRの再起動が必要

60/72/80/90/120 fps

https://twitter.com/tonavrc/status/1316582425430913024?s=20

VR Bitrate

VR配信のビットレートを指定する。高ビットレートほど画質が上がるが遅延が増加する。

Sharpening

Contrast Adaptive Sharpeningアルゴリズムにより画質を向上する。映像のシャープ化

Gamma

ガンマ値を増加させると映像が明るくなる

 

Synchronous Spacewarp(SSW)

高負荷時フレームレートを自動的に半分に切り替え、ヘッドセットが不足したフレームを外挿する。フレームを推定しより滑らかな映像にする機能。

Advanced Options
  • Sliced encoding

スライスエンコーディングを有効にする。遅延が減少するが一部GPUで動作しない可能性あり。

  • Video buffering

不規則なカクつきを低減させるが遅延が増加する

  • Center to play space (Stage tracking)

SteamVR/Oculusのトラッキングを強制的にQuestのプレイスペース中心にする。これによりQuestのプレイスペースが失われない限り、SteamVR/Oculusのプレイエリアも固定される。利点として、異なるトラッキング方式(Lighthouseなど)のデバイスを毎回の位置調整なしに利用できる(例:トラッカー、Indexコントローラー)。Quest設定でルームスケールを有効化が必要。

 

  • Increase color vibrance

色の鮮やかさを増加する

  • Increase video nominal range

暗い色をより暗く、明るい色をより明るくする

  • Show performance overlay

VR中の各種遅延を表示する

 

VIDEOS

f:id:tonact:20220308214825j:plain

PCの動画ファイルをリアルタイムエンコードによりQuestにストリーミングする機能。動画サイトのURLのコピー&ペーストにも対応し、Youtube VR 180度動画も再生できる

最適な設定に調整する方法

遅延を最小限にしたい場合

- ストリーマーのEncrypt local traffic、Automatically adjust bitrateを無効化

- VR Graphics Quality: Low

- VR Bitrate: 50Mbps以下

- Sliced encoding: 有効(不具合が生じた場合無効化すること)

画質を最高画質にしたい場合

- ストリーマーのAutomatically adjust bitrateを無効化

- VR Graphics Quality: Ultra

- VR Bitrate: 80~150Mbps(カクツキが発生しない程度まで上げる)

- Sharpening: コンテンツに応じて調整する

- Gamma: 好みの明るさにする

 

設定方法は以上です。