Virtual Desktopを最適な設定にする - 各種設定について
(2020/10/14更新)Quest2に対応
(2020/10/15追記)Quest2にて公式未リリースの90Hz機能を有効化する方法を注釈に追加
(2022/03/08更新)最新の内容に更新
Virtual Desktopの各設定項目について簡単に解説したあと、最適設定の例をご紹介します。
執筆時点のVirtual Deskotpバージョン:1.20.26
- Virtual Desktop ストリーマー
- Virtual Desktop クライアント
- 最適な設定に調整する方法
Virtual Desktop ストリーマー
ACCOUNTS
- Oculus Username(s)
QuestでログインしているOculusユーザー名(最大4個まで)
OPTIONS
- Preferred Codec
優先するコーデック(自動/H.264/HEVC)
- Audio Streaming
音声の出力先(無効/VRヘッドセットのみ/VRヘッドセットとコンピューター)
- Use virtual audio driver
音声の配信に問題があるときに有効にする
- Allow remote connections
リモート接続を許可する
- Encrypt local traffic
ローカル通信の暗号化を有効化する。暗号化を無効化すると通信遅延が数ms減少する。
- Automatically adjust bitrate
利用可能な帯域幅に基づいて映像のビットレートを自動で調整する(再接続が必要)
- Start with Windows
Windows開始時に起動する
- Start minimized in tray
最小化した状態で起動する
- Use touch input
Touchジェスチャーを有効にする(クリックが正常にできない場合無効にすること)
- Lock computer on disconnect
切断時コンピュータをロックする
- Auto-select microphone
VR版Virtual Desktopの設定でマイクパススルーを有効時、WindowsのVirtual Desktop Microphone録音デバイスを自動で既定にする
VIDEOS
ビデオ機能(PCの動画ファイルをリアルタイムエンコードによりQuestにストリーミングする)の参照フォルダを指定する。Change locationでパスを変更、Add a folderでフォルダを追加。
ABOUT
グラフィックボード、コーデック、遅延(デスクトップ時とVR時で異なる)、OS、セキュアブートの有無を確認できる。
Check for interfering appsからVirtual Desktopと競合するアプリをチェックできる。
Virtual Desktop クライアント
基本操作
COMPUTERS
利用可能なPCの一覧が表示される。クリックで接続。下スワイプで一覧を更新。
ENVIRONMENTS
デスクトップ画面を鑑賞する仮想空間の環境を選択できる。
GAMES
Virtual Desktopでプレイ可能なOculusとSteamタイトルが表示される。この一覧からゲームを開始する方法が推奨されている。また、SteamVRの起動は画面左下のLaunch SteamVRからも行える。この一覧にないタイトルをプレイしたい場合は次の2通りの方法がある。
- SteamVRを起動した状態で、一度デスクトップに戻り実行ファイルを開く。
- タスクトレイ内のVirtual Desktopストリーマーアイコンを右クリックしLaunch Game...から実行ファイルを指定する。
INPUT
Input Options
- Controllers interact with desktop
コントローラーでデスクトップ操作をする
- Automatically hide controllers
自動でコントローラーを非表示にする。コントローラーで数秒間操作を行わないとき、ポインタを非表示にし入力を無効にする
- Thumbstick vertical scrolling
ジョイスティックで縦方向のスクロールをする
- Thumbstick horizontal scrolling
ジョイスティックで横方向のスクロールをする
- Hand tracking
ハンドトラッキングで操作する(動作にはQuest本体でハンドトラッキングを有効化する)。SteamVRではTouchコントローラーとして認識される。
- Automatically show keyboard
自動でキーボードを表示する
- Press grip to grab/resize screen
グリップでスクリーンを掴む/リサイズする
Gamepad
- Emulate gamepad on PC
ゲームパッドでゲームをプレイできるようにする
- Use touch controllers as gamepad
Touchコントローラーをゲームパッドとして利用する。有効時、メニューボタン長押しでメニューに戻れる
Emulate D-pad and Start button
ゲームパッドの十字キー・スタートボタンをエミュレートする(左ジョイスティックとオプションボタンを利用)。下記の項目で発動条件を、右グリップかジョイスティック押下時のどちらかに指定できる
- When right grip is pressed
右グリップ押下時にゲームパッドの十字キー・スタートボタンをエミュレートする。
- When right thumbstick is pressed
右ジョイスティック押下時にゲームパッドの十字キー・スタートボタンをエミュレートする
SETTINGS
Computers
- Auto connect
クライアント起動時、自動で接続する
- Use optimal resolution
最適な解像度を使用する。配信解像度に適したモニター解像度に変更する(推奨)
Environment Quality
デスクトップ配信を鑑賞する仮想環境の品質を選択する。高品質ほどバッテリー使用量が増加する
- Low 低
- Medium 中
- High 高
Frame Rate
デスクトップ配信のフレームレートを指定する。高フレームレートほどチラツキが減少するがバッテリー使用量が増加する。
60/72/80/90/120fps
Desktop Bitrate
デスクトップ配信のビットレートを指定する。高ビットレートほど品質が上がるがバッテリー使用量が増加する
Screen Brightness
デスクトップ配信のスクリーンの明るさを調整する。
Videos
Show hidden items
隠しファイルやフォルダーを表示する
Dynamic Lighting
一部、仮想環境でスクリーンをライトアップする
- Disabled 無効
- Enabled when controller inactive コントローラー休止時有効
- Always enabled 常に有効
Audio
- Background music when disconnected 切断時BGMを再生
- Microphone passthrough マイクの有効化と音量調整
- Noise cancellation ノイズキャンセリングを有効にする
Advanced Options
- Allow custom orientation in all environments
全ての仮想環境で向きの変更をできるようにする
- Boost clock rates
クロック周波数を増加させる。バッテリー使用量も増加する。録画やミラーリング時にのみ使用すること
- Copy screenshots to desktop
Virtual Deskop内で撮影したQuest機能によるスクリーンショットを自動的にデスクトップにコピーする
- Increase color vibrance
色の鮮やかさを増加する
- Remove head lock delay
スクリーンを頭に追従する設定にした際、追従の遅延を無くす
STREAMING
VR Graphics Quality
VR配信のエンコード解像度と、SteamVRの既定の(100%の)内部解像度を指定する。適用にはゲームとSteamVRの再起動が必要。Potatoはロースペック、Ultraはハイスペックのグラフィックボード搭載時指定する。
VR Frame Rate
適用にはゲームとSteamVRの再起動が必要
60/72/80/90/120 fps
https://twitter.com/tonavrc/status/1316582425430913024?s=20
VR Bitrate
VR配信のビットレートを指定する。高ビットレートほど画質が上がるが遅延が増加する。
Sharpening
Contrast Adaptive Sharpeningアルゴリズムにより画質を向上する。映像のシャープ化
Gamma
ガンマ値を増加させると映像が明るくなる
Synchronous Spacewarp(SSW)
高負荷時フレームレートを自動的に半分に切り替え、ヘッドセットが不足したフレームを外挿する。フレームを推定しより滑らかな映像にする機能。
Advanced Options
- Sliced encoding
スライスエンコーディングを有効にする。遅延が減少するが一部GPUで動作しない可能性あり。
- Video buffering
不規則なカクつきを低減させるが遅延が増加する
- Center to play space (Stage tracking)
SteamVR/Oculusのトラッキングを強制的にQuestのプレイスペース中心にする。これによりQuestのプレイスペースが失われない限り、SteamVR/Oculusのプレイエリアも固定される。利点として、異なるトラッキング方式(Lighthouseなど)のデバイスを毎回の位置調整なしに利用できる(例:トラッカー、Indexコントローラー)。Quest設定でルームスケールを有効化が必要。
Virtual Desktop1.15.1のステージトラッキング機能により、遂にQuestフルトラの毎回の位置調整が不要になりました。Questのプレイエリアを参照しSteamVRのプレイエリアを固定化するようです。
— トナ@VRChat (@tonavrc) September 2, 2020
手順
1.現在発生中の位置調整問題を解決する(https://t.co/NtsyF3k4O2)
2. 画像の項目にチェックを入れる https://t.co/LBEEoe7FMu pic.twitter.com/vDM7UAiBb9
- Increase color vibrance
色の鮮やかさを増加する
- Increase video nominal range
暗い色をより暗く、明るい色をより明るくする
- Show performance overlay
VR中の各種遅延を表示する
VIDEOS
PCの動画ファイルをリアルタイムエンコードによりQuestにストリーミングする機能。動画サイトのURLのコピー&ペーストにも対応し、Youtube VR 180度動画も再生できる
。
最適な設定に調整する方法
遅延を最小限にしたい場合
- ストリーマーのEncrypt local traffic、Automatically adjust bitrateを無効化
- VR Graphics Quality: Low
- VR Bitrate: 50Mbps以下
- Sliced encoding: 有効(不具合が生じた場合無効化すること)
画質を最高画質にしたい場合
- ストリーマーのAutomatically adjust bitrateを無効化
- VR Graphics Quality: Ultra
- VR Bitrate: 80~150Mbps(カクツキが発生しない程度まで上げる)
- Sharpening: コンテンツに応じて調整する
- Gamma: 好みの明るさにする
設定方法は以上です。